腰の痛みにも様々なものがありますが、腰の下にあるお尻辺りに痛みが出ている場合、仙腸関節炎の疑いがあります。仙腸関節というのは、腸骨という骨と仙骨という骨をつなぐ関節があるのですが、ほとんど動かない半関節と呼ばれる関節です。とはいえ、可動性があり、前かがみ動作などで多少動きますが、その可動性は２㎜～3㎜ほどと言われています。しかし、これだけ小さな可動性でも動きが悪くなると股関節や腰部に影響を与えます。この動かない状態で、日常生活を送ることで負荷がかかってしまい仙腸関節部分に炎症が起きてしまい、痛みが出ることを仙腸関節炎と言います。

　
◆どんな原因がある？？

　作業中に、腰を捻ったり、中腰での作業、運動で脚を前後に大きく開いたり、外傷などにより、骨盤に負荷がかかることで症状が出るとされています。
　また、左右非対称に力が加わることが要因となる事があり、通勤で鞄をいつも決まった方でかけてしまっていたり、座っている時に脚を組む癖があるといった方は、なりやすい傾向にあります。
　また、女性の場合は出産によって仙腸関節まわりの靭帯がゆるみ、それが原因で仙腸関節炎を起こす場合もあります。
◆どうやって治療するの？

　仙腸関節の痛みは、股関節の曲げ伸ばしや立ち上がり動作など日常生活の動きや、仕事の動作の中で出る場合など様々な原因が考えられます。まず、当院では、問診や触診等にてなぜ、今回痛みが出てしまったのかを特定し、説明させていただきます。仙腸関節の痛みでよく起こるのは、仙骨部分についている筋肉やお尻の筋肉が張りすぎてしまい、本来の関節の動きをする事が出来なくなってしまい炎症や痛みを引き起こすケースです。こういった場合には、筋膜リリースや癒着している箇所に超音波治療器を当て、本来の関節の動きに戻していきます。また、日常生活動作や仕事の動きの癖で出ている場合も多く、動作指導やストレッチ指導もさせていただきます。